近年、不動産金融の面では大きな変化が出てきた。その変化をもたらしたのは、不動産の流動化、証券化の広がり、中でも不動産投資信託(このうち証券取引所に上場されたものをJ−REITと呼ぶ)の登場である。ここでは、この新しい不動産収引の形態と地価とのかかわりを説明してみたい。個人用、商業用を問わず不動産の関係者を大まかに分類すると、持主、資金の貸主、利用者と経営(運営)する者である。不動産を他の物件と比較してみると、特徴は多くあるが、(1)一件当たり価格総額は他の物件に比較して非常に高額である、(2)一物件に対して複数の所有者が存在すると、所有者の利害が一致せず、売買、賃貸時にトラブルになることが多い。したがって、高額物件であるにもかかわらず、また、法律上はまったく制約はないものの、一物件に所有者は一人もしくは利害関係を同じくする同一の複数人で保有しようとする傾向が強かった。当然、資金の貸主も複雑な所有関係の物件を担保に融資することは少なかった。ここで開発されたのが不動産投資信託である。一人一人の小額の資金を大勢の人から集めて、多額の資金とし、一人では買えない高額の不動産を購人入運用する方式だ。投資家は株に似た投資証券を購入するわけだが、分割の困難な高額不動産を小口化し、これを所有したときと同様の収益を手にすることができる。
(不動産物件)
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