食器の選択

2011.12.23

食器の選択にはこの辺に微妙な呼吸がある。言うなれば、壊れた時にちょっと惜しくて、失われた物に対する感傷がその家庭の歴史の1コマになる程度のものがちではなかろうか。わが家にもそういう感傷と共に退場した食器があった。これは白地にブルーの輪を染めつけただけの、あっさりしたデザインの洋食用フルセットで、これは値頃の国産品だが、結婚する前に妻と共にいろんな店を歩いてさんざん選んでから求め、ずっと使いつづけてきたものだから二人共愛着が深かった。

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それが1つ欠け2つ欠けして、いよいよ、ちょっと人数の多い客のある時には役立たなくなった。その時は佗しかったが、妻が「でも嬉しいわ、新しいのが買えるから」と言ったのは、彼女にしては名言で、ぼくも、それはほんとにそうだ、と思って気を取り直し、2人で新しいセットを物色しはじめた結果、ウェッジウッドのセットが登場してわが家の食卓の歴史に新しい1コマが開かれたので、これもまた良きかな、という気分である。