急速に変化した暮らしの周辺

2011.09.30

昔の住宅には断熱材も入っていなかったし、窓枠からはすき間風がどんどん入ってきました。家の中にもテレビやオーディオはなかったでしょう。置く物が少なかったから、室内のスペースも広かったのです。いつも涙を流しながら玉ねぎをきざむ奥さんか、スピードカッターできざんだら、三秒できざめたと言うのです。便利で、しかも苦労がまるでなくなるような道具かどんどん出てきています。企業側は、「こんなものがほしい」というエンドユーザーの希望を何とかおさえ、それをつくりあげようとしています。住宅に関しては、今と昔は考え方か大幅に違います。たとえば、掃除の仕方も大きな差があります。昔は、ほうきでゴミをはき出しました。ところが今は掃除機を使わない家はないでしょう。そうなると、まず住宅の窓が関係してきます。つまり、窓からほうきではき出すには床からあいている「はき出し窓」でなければなりません。掃除機ならば、何も「はき出し窓」である必要はありません。「腰窓」で結構です。腰窓というのは、床から一メートル程度は壁があって、そこから窓になるという窓のことです。変な話ですが、主婦の皆さんからアンケート調査をしたら、大体東北から関西までの多くの人が窓と言えば「はき出し窓」を希望しているのです。でも、掃除の都合から言えば何の問題もないのだから、「出窓」「腰窓」など、いろいろな窓について、もっとこまかい研究をして良いでしょう。アルミサッシのメーカーなどは、次々と新しい窓を発表します。欧米の住宅の窓の種類が多いことは驚くばかりです。はき出し窓と腰窓と、どちらがホコリが入らないか実験してみた結果、当然腰窓の方が入りませんでした。窓は住宅の外観にも関係があることだから、真剣に考えたいところです。今は、昔のようにご飯を炊くにも薪でということはなくなったために、台所が狭くてもよくなりました。電気炊飯器がどこの家でも使われています。冷蔵庫、冷凍庫は大きくなる一方です。年々便利になる電気メーカーの電気製品も、無制限にとり入れられています。そのために数が多すぎて増築や改造をした例もあるのです。すでに、戦後四十年を経た今、私達は急速に変化した様々の道具にかこまれて今日にいたっています。その体験をふまえて、これからの住宅を考えていきたいところです。

[参考]
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